ネオ・アコースティック

The McCluskey Brothers / Favourite Colours (1992)

以前紹介した、ネオアコバンド「ブルーベルス」の中心人物、
ケンとデイヴィットのマックラスキー兄弟が、ブルーベルス解散後に組んだのがこのユニット。
このアルバムはセカンドです。


Mccluskey


一部ネオアコ愛好家にしか話題にのぼりませんでしたが、これはよいです。

ブルーベルズのように、青春度100%な爽快な曲ではなく、
故郷スコットランドのフォークを意識した落ち着いたアコースティック・サウンドです。

トラッド色を全面に出しているはファーストアルバムなのですが、
ブルーベルズからのファンにはこちらの方がとっつきやすいでしょう。

やはりメロディやアレンジがライラック・タイム、アズテック・カメラに似ていますが、
彼らの代表作にも負けないクオリティだと思います。

リリースした時代が悪かったのでしょうか。
今リリースしたらヒーリング・ミュージックとしてうけると思うのですが。

どこか、名盤再発の1枚としてリリースしてくれないでしょうか?


マックラスキー兄弟の映像がないかYou Tubeを調べていたら、
なんと今年にブルーベルズが再結成しているじゃないですか!

ライブが見たい!Vinyl Japanさん呼ばないんですか?

The Bluebells - I'm Falling LIVE Glasgow 2009

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Shack / ...The Corner Of Mile And Gil (2006)

前回のライトニング・シーズの時に、比較したシャックの現時点での
最新アルバムを紹介します。

タイトルのMileとGilとはマイルス・デイヴィスと、ギル・エヴァンスのことで、
このジャズの巨匠たちへのオマージュのようですが、このアルバム自体は
ジャズアルバムではありません。

ジャズ的要素も入っていますが、ペイル・ファウンテンズ時代から聴いている人なら
違和感ないと思います。もちろん、ネオアコとしての効能もありです。


Milesandgil_2

(前作ひ引き続き、シャックをリスペクトしている、オアシス、ノエル・ギャラガーの
レーベルからのリリースです)

やはり、一番影響を感じるのはアーサー・リーの「LOVE」ですね。

私もLOVEの良さをなかなか実感できなかったのですが、シャックを聴くことで
逆説的にLOVEのすごさに気づいた次第であります。

アーサー・リーほど黒人でありながら、色んな音楽をミックスして、
非ファンキーでありながら高度な作品を作った人はいないのではないでしょうか。

シャックのこのアルバムは、まさにアーサー・リーの精神を受け継いだ作品ですね。

もう元ネタが何かとか、そういうレベルではなく、まさに今まで聴いてきた
様々な音楽をマイケル・ヘッドというミュージシャンを濾過して出てきた
ハイブリッド・ミュージックと言えばよいでしょうか。

でも、ここまで複雑だと、一部の愛好家以外には受けないんですよね。

もっとオアシスを宣伝に使って、ブリティッシュ・ロック好きにアピールすべきです。
(ノエルは、マイケル・ヘッドみたいな曲を書きたいのでしょうね)

それだけ価値のある素晴らしい作品だと思います。

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Lightning Seeds / Four Winds (2009)

イアン・ブロウディの一人ユニット、ライトニング・シーズのニューアルバム。

あまり話題になっていないのですが、80〜90年代にネオアコにハマった人には
どストライクな作品です。


Lightningseeds
(この地味すぎるジャケットは、何かメッセージを発しているのか?)

イアン・ブロウディは、プロデューサーとして、エコー&バニーメン、
アイシクル・ワークス、ペイル・ファウンテンズなどリバプールのバンドを
手がけたことで有名で、その後サッカーのテーマソングを手がけるなど、
日本では考えられないほど英国では根強い人気があるようです。

前作はイアン・ブロウディ名義でアコースティクな作品でしたが、
今回はLightning Seeds名義なのでエレクトロニカかと思いきや、
両方をうまくミックスしたエレガントな作品を届けてくれました。

イアンも、もちろんリバプール出身ですが、ビートルズから繋がる
リバプールならではのメロディックな作風は相変わらず気持ちいいです。

私たちがネオアコと呼んでいたアーティストは、アコースティック楽器を
中心としているものの、ジャズやボサノバ、ブラックミュージックなど色んな
要素が入っていたので、それを一つのカテゴリーにまとめるのは難しいのですが、
当時ネオアコとして流行していたアーティストが好きだった人なら、
このアルバムを聴くと「これぞネオアコ」と思っていただけると思います。

なので元ペイル・ファウンテンズのマイケル・ヘッドの現バンド「シャック」が
一番近いように思います。
シャックの最新作も色んな要素を消化したすばらしい作品でしたが、
ライトニング・シーズも負けていないです。

⑦なんかはビーチ・ボーイズの「ペットサウンズ」風ですが、全体には
ビートルズ/リバプールフレーバーがまぶしてあり、このメロディー・サウンドに
英国人が反応してしまうはよくわかります。
(だからサッカーのテーマソングを依頼されるんですね)

本作は、イアン・ブロウディ/ライトニング・シーズの作品の中で
ベストだと思います。

これだけの充実盤なので、どこか日本盤を出さないですかね?
我々の世代にちゃんとプロモーションすれば売れると思いますが・・・

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Stephen Duffy & The Lilac Time / Runout Groove (2007)

CDショップに並ばないので、リリースされていたことに気づかなかったシリーズ。
第二弾は、ライラック・タイムです。


Lilac2


1曲目、アコースティック・ギターとウッド・ベース、スティール・ギターで
おだやかなオープニング。

ネオアコというより、もはやUKドラッドに近いサウンドだと思ったら、
ベースがダニー・トンプソン(元ペンタングル)でした。

2曲目は軽快な曲ですが、これもスティール・ペダルが大活躍で
カントリー・ロック色が強いです。

そのあとも、おだやかなサウンドが続き、ステファン・ダフィーの
ボーカルもキーを低めでしっとりと聴かせるものだから一聴した感じは
とっても地味です。

地味だから面白くないということではありません。

例えるなら、「木漏れ日フォーク・ロック」でしょうか。

これが、ぼーっと聴くには実に気持ちがよいです。

これまでステファン・ダフィーを追っかけていた人にとっては、
このサウンドは納得でしょう。

年相応に枯れてはいますが、時代に媚びることもなく自分の道を歩んできた
誇りみたいなものを感じます。

この人は元々、デュラン・デュランのメンバーだった人ですから、感慨深いですね。
(ライラック・タイムを組んだ当初はまだアイドル的な人気がありました)

もうこの人は、紡ぎ出した珠玉のメロディーをこのアルバムみたいに、
さらっとまとめあげてくれるだけで充分ですね。

私のライラック・タイムのベストは「Looking For A Day In The Night」
だったのですが、同じく年をとった今の私にはこちらの方が染みます。

こんな素敵なアルバムを2年も気がつかなくてごめんなさい!

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James Kirk / You Can Make It If You Boogie (2003)

ジェームズ・カーク。誰?って感じでしょう。
一部の人以外には。

この人、オレンジ・ジュースのギタリストだった人です。
オレンジ・ジュース解散後に初めて出したソロアルバムがこれです。


James_kirk


1曲目が流れた瞬間「オレンジ・ジュースだ!」って思いますよ。
歌い方も、相棒エドウィン・コリンズに似ています。
(けっしてうまくないのですが、このへろへろ感が逆にネオアコっぽいです)

以下ネオアコ好きにはたまらない、キラキラなギターサウンドが満載です。
(オレンジ・ジュースのファースト収録の「Felicity」のセルフカバーもやっています)

オレンジ・ジュースの特徴でもあったのですが、底に流れるソウルフィーリングは
ジェームズのアルバムにも顕著です。

オレンジ・ジュース=エドウィン・コリンズと思っていた私は、勉強不足でした。

昔、ネオアコにハマっていた人は、これを聴くと涙腺がゆるくなるので注意です!


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Felt / Forever Breathes The Lonely Word (1986)

チェリーレッドの看板バンド、フェルトがクリエーションに移籍して
リリースした通算6枚目のアルバム。

フェルトの特徴は、ボーカルのローレンスの憂いを帯びたボーカルと
メロディセンスですが、このアルバムは従来の繊細なギタープラス、
ハモンドオルガンが大活躍しています。

このハモンドを弾いているのは、現プライマル・スクリームの
マーティン・ダフィー。

この大暴れのハモンドをフェルトらしくないと見る向きもありますが、
私はこの組み合わせが大好きで、フェルトのアルバムの中でこのアルバムを
一番よく聴きます。


Felt


いまさらですが、ローレンスの歌い方はルー・リードそっくりですね。

前回紹介した、ピーター・アスター、ロイド・コール、ローレンスと
イギリス人はなんでこんなにVU/ルー・リードが好きなんでしょうね。

(ヴェルヴェッツ・チルドレンと言われる人はほとんどイギリス人。
そのひとたちを熱心に応援しているのが日本人というのも興味深いですね。)


完成度やフェルトらしさからいえば、89年の「Me And a Monkey On The Moon」
の方が傑作かもしれませんが、ハモンド好きの私は断然
「Forever Breathes The Lonely Word 」派です!


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The Lilac Time / Looking For A Day In The Night (1999)

ネオアコつながりで、紹介したいアルバムがこれ。
ライラック・タイム=ステファン・ダフィーの5thアルバムです。

Velvet Crushと組んでダフィー名義でリリースしたパワーポップなアルバムも
悪くないですが、やっぱりこの人はアコースティックなサウンドの方が似合います。


Lilactime

そんな紆余曲折をへて、原点回帰したアルバムがこれで、彼のアルバムの中で
一番よく聴きます。

ほとんどの曲はアコースティックギターを中心としたシンプルなアレンジですが、
メロディーが際立ちなんとも心地よいサウンドです。

ギターの音もすごくきれいに、なまなましく録れていてすばらしいです。
参考にしたいですね。

曲も初期のライラック・タイムでもなく、ダフィー名義でもなく、ちょっと
シンガーソングライターを思わす内相的な部分がみえ、「翳り」や「憂い」が
感じられます。

この感じは、このアルバムの中にしかないので、ライラック・タイムのアルバム
の中では、異質な部類に入るかもしれません。

これからの秋の夜長にひっそり聴くには最適なアルバムです。

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The Bluebells / Sisters (1984)

まさに「ネオアコ」という言葉がぴったりなスコットランドのバンド、
ブルーベルズ唯一のアルバム。
(解散後に「Second」というお蔵入りになったアルバムがリリースされていますが)

元々シングルを中心にリリースをしており、アルバム収録曲のうち、「Cath」
「I'm Falling」「Young at Heart」「Will She Always Be Waiting」はすでに
シングルをで発表済みで、「Young at Heart」はUKチャート8位まで上がっています。


Bluebells

ブルーベルズといえば、甘酸っぱいサウンド。
何をもって甘酸っぱいと言うのかは、表現が難しいのですが、このサウンドを聴いて
思い浮かべるのは、まさに「甘酸っぱい青春」。
ただ甘いだけでなく曲がいいことが、このバンドが語り継がれている理由でしょう。

当時エルヴィス・コステロが絶賛してプロデュースをかってでました。
(「Will She Always Be Waiting」1曲のみです。残りの曲のプロデュースは、
コステロとの繋がりが強いコリン・フェアリーと、元ブリンズレー・シュウォルツの
ボブ・アンドリュース)

よく聴くと、アズテック・カメラのロディー・フレームにも通じるブラック・フィーリングと
スコティッシュさがうまくブレンドされていて味わい深いものがあります。

中心人物のケンとデヴィッドのマックラスキー兄弟は、ブルーベルズ解散後
「マックラスキー・ブラザーズ」を組み、アルバムをリリースしていますが、
ロバート・ホッジェンスは今なにをしているのか、情報が入ってこなかったのですが、
2006年に「The Poems 」というバンドでCDをリリースしていました。

(ロバートはボーカルを取ってなくて、女性ボーカルをたてている模様。未聴ですみません)

ブルーベルズが気に入った方は、シングル曲を集めた「シングルコレクション」が
出ていますのでこちらもどうぞ。

(なぜか「Sisters」に収録されなかった「Sugar Bridge」は名曲です!)

*「Sisters」は現在廃盤のようです。


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シャック/H.M.S.Fable (1999)

ペイル・ファウンテンズのマイケル・ヘッドが弟と共に作った
シャックのサードアルバム。

ペイル・ファウンテンズはアズテック・カメラと並び、ネオアコの代表アーティスト
ですが、やはり生き残っている人は、音楽の深みが違います。
(ちなみにネオアコというジャンルは、日本にしかありません)

特にマイケル・ヘッドの作る音楽は、ブラックミュージックや、ボサノバ、
スパニッシュなど世界の音楽を取り入れた複雑な音楽性でいつも楽しませてくれます。


Shack

このアルバムは1曲目を聴いた時にあまりにもストレートなギターポップに、
オアシスのファンにも受けるのではと思ったのですが、最新アルバムはノエルの
レーベル「Sour Mash」からリリースされたので、私の直感もまんざらでも
なかったと思います。

ノエル・ギャラガーは、マイケル・ヘッドをいたく尊敬しているそうです。
たしかにこのブリティシュネスは、ノエルが好きそうです。


トータル的な完成度では、最新アルバムの「The Corner Of Miles And Gil」に
譲りますがギターポップ度からすれば、これが一番です。


最近になってようやくマイケル・ヘッドがアメリカのバンド「Love」を敬愛
していることが理解できました。
Loveを聴けば聴くほど、複雑に絡み合った音楽にマイケルのシンパシーを
重ね合わすことができます。

なんか回りくどく書いてしまいましたが、ブリティッシュのグッドメロディーを
お探しなら、これをおすすめします。

あまりジャンルにこだわらずに聴いてみてください。
何か感じるものがあると思います。

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アズテック・カメラ/Stray (1990)

アズテック・カメラといえば、ファーストばかりが取り上げられて、
このアルバムが紹介されることはまずないので、あえて取り上げたいと思います。

このアルバムがリリースされた時にフルバンドで来日してくれました。
(以後は、アコーステックソロばかり)

ロディー・フレームのバリバリに弾きまくるエレキ・ギターもかっこよかったです!


Stray_2


そのなかでも印象に残っているのが、このアルバムの2曲目「The Crying Scene」。
キラキラのアルペジオから入り盛り上がる、まさにギターPOPの教科書のような曲。
間奏のギターソロも完璧です。

あと、クラッシュのミックジョーンズとデュエットした、「Good Morning Britain」、
「How It Is」なんかは、今までにあまり出していないパンクな面を出して興味深いです。

前作Loveの路線を引き継いだソウルっぽい「The gentle Kind」や
「Nothing Hill Blues」、最後のしっとりとギター1本で歌われる
「Song for a Friend」もあり、全体的にとっちらかってるイメージもありますが、
妙に愛おしいアルバムであります。


ソロライブもいいんですが、もう一度エレキを弾きまくるロディーを見たいので、
フルバンドを従えて来日して欲しいのですが・・・(集客を考えると難しい?)

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