U.S.インディー

Built To Spill / There Is No Enemy (2009)

ビルト・トゥ・スピル、3年ぶりのニューアルバム。

一聴しての感想は、「聴きやすくなったな」です。

プログレッシブさが後退して、ポップになったという意味なのですが。

バンドの総意として、自分たちのカラーをいかしつつ、
どれだけポップなものが作れるかというモードなのでしょうね。

No_enemy

私も音楽を作っていて、小難しい曲より、ポップでいかした曲を
作る方が遥かに難しいことを実感していますし、
長くバンドをやっているとそちらに挑戦したくなるんですよね。

ポップに向かったことで、より「ニール・ヤング化」している点も
面白いですね。
ボーカルのダグ・マートッシュの高く細い声は、元々ニール・ヤングに
似ていたのですが、ちょっと憂いを含んだ曲になるとさらに似ています。
(②、⑤、⑥、⑨など。⑥なんてまるで「コルテス・ザ・キラー」です。)

このバンドは、以前からシンセサイザーをあまり使わず、
エレクトリック・ギターのアンサンブルで勝負しているのですが、
今回も絡み合うギターがカッコいいです。

複数のギター構成でバンドをやっている人には、参考になると思います。

このバンドは、爆音で聴くとよりカタルシスを得られるのでお試しを。

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Lou Barlow / Goodnight Unknown (2009)

ダイナソーJr.のニューアルバムがすばらしかったので期待していた
ルー・バロウのソロアルバム。

やはりダイナソーの活動の影響をうけてロックなアルバムに仕上がっています。

フォーク・インプレッションやソロでは、フォークを基調にした
「ちょっと壊れたねじれロック」を追求してきたルーですが、
今回のアルバムはまさに集大成のような感じです。


Lou_barlow


①②はダイナソーのニューアルバムに収録されても違和感のない
ロック・チューン。
③④⑤はガット・ギターを中心としたおだやかなフォークソングですが、
この人がフォークっぽい歌を歌ってもオルタナ感がただよいますね。
ちょっとメロがドノヴァンに似ています。

⑥はアルバム中で一番ストレートでPOPな曲。
この路線の曲をもっと聴きたいですね。
⑦以降は、従来のスタイルのオルタナ・フォークですが、
メロが立っていてどの曲も良いです。

ということで、フォーク・インプレッション、ソロの中でも今作が
ベストなのではないでしょうか。

自分のやりたいことを押し付けるのではなく、うまくポップに
消化している点がすばらしいです。

このひとは、ダイナソーのベーシストだけにおさまるような人ではないですね。
シンガー・ソングライターとしてどんどん作品を出して欲しいです。

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Dinosaur Jr. / Farm (2009)

オリジナルメンバーによる再結成ダイナソーJr.のニューアルバム。

前作は、ハードコアを意識したせいか、混沌としていて
あまり好きではなかったのですが、今回は大絶賛させていただきます。


Farm


路線としては、「ニール・ヤング化」したと言われた「Where You Been」
に近いですが、あの時のダイナソーは、Jのソロプロジェクトだったので、
やはり少し違います。

ツアーに出たこともあり、バンドとしてまとまっているし、
ルー・バーロウの曲2曲も良いアクセントになっています。
しかし、ルーの曲(特にラスト曲「Imagination Blind」)は、メロも声も
マシュー・スウィートそっくりなんですが、この二人こんなに似てましたっけ?

Jの曲も近年ではベストと思う良い曲が並んでいるし、
相変わらずの手癖のギターソロも気持ちいいです。

ラウド系のバンドにしては、ベースの音が異様に小さいのですが、
これはバンドのサウンドを音の固まりとして一体感を持たせたかったからでしょうか。

このミックスは大音量で聴いても耳が疲れず、とても気持ちよく聴けるので
大正解と思います。

ということで、ただいまヘビーローテーション中でございます!

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Built To Spill / Keep It Like A Secret (1999)

米インディーロック界の良心、ビルト・トゥ・スピルの4thアルバム。

私は、このアルバムで彼らを知りました。

Built_to_spill


①の高揚感あふれる出だしでノックアウト!
他の曲もメロディが立っているし、ギターアンサンブルも凝っていてとても面白いです。

このアルバムだとWeezerなんかと比べられると思うけど、
ビルト・トゥ・スピルの方がもっとひねくれた感じです。
でも不思議とXTC的なイギリスの香りはしないんですね。

このあたりは、ボーカル/ソングライターのダグ・マートッシュの資質に
よるのでしょうが、この人の唯一のソロが、アコギ+スライドギターの
シンプルな演奏を中心としていて、フォーク・トラディショナルな作品
なんですね。といってもオルタナな匂いはしてますが。

このあたりも、引き出しの多さを感じます。

しかし、このバンドほとんどキーボードを入れていないんですね。
ギターだけでこのヘヴィーかつ美しいサウンドを作っているのは感服します。


Doug


(ダグのソロアルバムと、バンドのLive盤)


興味をもった方は、翌年にリリースされたライブ盤もどうぞ。
基本2本のギターでここまで太い演奏ができるなんてすごい!

(ニールヤングのカバー「Cortez The Killer」もハマっていて良い出来です!)


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ダイナソーJr. / Where You Been (1993)

前作「Green Mind」でアンダーグラウンドの住人から一気に人気者になりました。
そして、ホットなうちにリリースされたアルバムがこれ。

1曲目が流れた瞬間誰もが、ニール・ヤングじゃん!とおもったでしょう。

でも本当にニール・ヤング丸出しなのは、「Tonight's The Night」に入っていそうな
「Not The Same」とギターソロが完璧ニール節な「Get Me」ぐらいなんですけどね。

まあ、ニール・ヤング大好きな私にとって、Jがニール・ヤング化しても問題無し
なんですが。

「Green Mind」から聴き始めて、サードの「Bug」に戻るという聴き方をしたんですが、
「Bug」の時にすでに、このアルバムの要素があるじゃないですか。
(「No Bones」なんて「Where You Been」に入っていても全く違和感ありません)


Whereyoubeen


(Where You BeenのアナログとGet MeのCDシングル。)


以来、ずっとダイナソーを追いかけていますが、やっぱりこのアルバムを一番よく聴きます。

Jはこの時期、カントリーロックにも興味があったらしく、シングルB面には興味深い
カバーが収められています。

シングル「Get Me」に入っている、フライング・バリトブラザースの
「Hot Burrito#2 」です。このカバーはかっこいい!

この時期、この路線は、レモンヘッズの十八番だったのですが、
このカバーは絶品です。

Jは、デイビッド・ボウイやキュアーなどの意外なカバーをB面に仕掛けるので
目が離せません。
(ボウイのカバーは「Quick Sand」。ギター1本の弾き語りなんですが良いです)

やっぱり気になるアーティストだったら、カバーとか気になりますよね。

このアルバムを簡単に語ると、Jの鼻歌にニール・ヤングばりの強烈なギターを
かませたオルタネイティブ・ロックなんですが、これが許され評価されるのも
この人だけでしょう。

やっぱり偉大な才能ですね。どうにも憎めないし、あの轟音も気持ちよく聴けるし。
これからも追っかけていきます!

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マーク・アイツェル/60 Watt Silver Lining (1996)

American Music Clubのフロントマン、マーク・アイツェルの
メジャーソロ第一弾アルバム。

このアルバムが、クロスビート誌の評論家が選ぶ年間ベスト10に軒並み
ランキングインしていたので、気になっていました。

American Music Clubのことも知らなかったので、全く白紙の状態で
聴いたのですが、簡素なサウンドの中に浮かび上がる深遠な声に瞬く間に
引き込まれました。


Amc


(左「60 Watt Silver Lining」、右 American Music Club最新作「The Golden Age」)

この世界は、アメリカのアーティストにしか出せないDesert Songと言いますか、
夜中に酒を飲みながら聴くのが、一番ぴったりのような気がします。

この音を聴いて浮かぶイメージは、「夜」、「月」、「海」、「砂漠」・・・など。
とても映像的な音です。

と言っても別に難解なところはひとつもないので、流れに身を任せながら
スピーカーに耳を傾けてください。

今年にリリースされた、American Music Clubのニューアルバム「The Golden Age
は、このソロアルバムの路線を引き継いだような深〜い作品なので、必聴です。

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ジェームス・イハ/Let It Come Down (1998)

元スマッシング・パンプキンズのギタリスト、ジェームス・イハの初ソロアルバム。

スマパンの轟音ギターを期待すると、ずっこけますが、新星のSSWだと思えば
かなり良質なアルバムです。

(70年代のジャクソン・ブラウンやニール・ヤングの作品たちにの中に
混ざっても違和感がないと思います。)


James_iha


スマパンでは、ギターもビリー・コーガンが目立ったところは全部弾いて
しまうし、曲もほとんど発表させてもらえなかったのですから、
相当たまっていたことでしょう。

そこで、自分の本分はこれだとばかりに、おだやかなSSW路線できました。

イハ君のボーカルは、かなり細く頼りなげなのですが、コラースで参加
しているニール・カサール(この人のアルバムもすごく良いので、
またの機会に紹介します!)の声が被るとすごくいいんです!

ニール・カサールの参加がこのアルバムの質をぐっと上げているのは
間違いないでしょう。

日だまりの中で、ぼーっと聴けば最高の曲たちもすごく良いです。

イハ君は、日本のチャラのプロデュースしたり、IVYのレコーディングに
参加したり、フランス人女性ボーカルをたてて、(ヴァネッサ&ジ・オーズ)
バンドを組んだりしてますが、一向に次のソロアルバムを出す気配が
ありません。

もう10年も経っているのでそろそろ腰を上げて欲しいものです。

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フィーリーズ/Only Life (1988)

フィーリーズといえば、Weezerもチャットモンチーもジャケットをぱっくた
1stばかり賞賛されますが、アントン・フィアーが脱退してからのアルバムも
よいです。

(アントン・フィアーのドラムが、このバンドのかなりのカラーを占めていたので、
別のバンド名で再開したいたらもっと評価されていたかもしれません)

2ndからは、ギター・ボーカルのGlenn Mercerのヴェルヴェット・アンダーグラウンド
趣味がさらに顕著になり、ニューヨークパンク+フォークロックな曲が増えて
いきます。

(あと端々にビートルズに対する愛情も感じます)


Feelies_onlylife


まさにこの3rdアルバムは、この路線の集大成という感じです。
このあたりは、R.E.M.あたりもかなり影響を受けているのではないでしょうか。
(と思ったら、2ndは一部、ピーター・バックがプロデュースしていました。
彼がフィーリーズの大ファンで自ら売り込んだよう)

⑩のヴェルヴェットのカバー「What's Going On」以外はすべて
Glenn Mercerの作品。曲も冴えているし、VU+Television的なクールな
ギターもかっこいいです。

発表時にはあまり評価されず、このあともう一枚アルバムつくりますが、
解散してしまいます。

Glenn Mercerはどうしているのかと心配していたら、昨年こっそりCDが出てました。

(「Wheels In Motion」というタイトルでシカゴの小さなレーベルから出ています)

低予算ゆえのチープなプロダクションが見えてしまうところはちょっと寂しいですが、
ビートルズのカバーWithin You Without You/Love You To」は貫禄の出来です。

(フィーリーズでは、「Everybody's Got Something To Hide Except Me
And My Monkey」「She Said, She Said 」もやってましたね)

近年、ようやく再評価されてきて、「Only Life」もようやくリイッシュされました。
80年代のロックも捨てたもんじゃないですよ。

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フレーミング・リップス/The Soft Bulletin (1999)

これを最初に聴いた時の衝撃は大きかったです。

フレーミング・リップス自体は、93年発売の「Transmissions From
The Satellite Heart」から知っていたのですが、その時はへんてこな
ガレージ・サイケバンドだなと思ってました。

(このアルバムも大好きなんですが)

1曲目の「Race For The Prize」のイントロがなった瞬間「なんじゃぁ〜」
って感じです。

その”いびつな”ドラムとドリーミーかつサイケなサウンドでつかみはOK!

ウェイン・コインのヘロヘロなボーカルもこのサウンドに完全にマッチして、
ここにフレーミング・リップスの黄金律が完成したというところでしょうか。

これはアルバム1枚で1曲ともいうべきかもしれません。
本人たちはコンセプトアルバムを作ったつもりはないかもしれませんが、
サージェント・ペッパーズ並に統一感があります。曲の並びもすごくいいし。

(ビートルズもはじめからコンセプトアルバムを作るつもりじゃなかったけど)

バンドのクリエイティビティが最頂点だったこともありますが、
プロデューサー/ミックスを担当した、デイヴ・フリードマンの才能もここで
大爆発したという、まさにグッドタイミングがこの傑作を生んだのでしょう。

デイヴ・フリードマンは元々、マーキュリー・レヴのメンバーだった人ですが、
このアルバムのヒットでプロデューサーとして引っぱりだこに。

日本のナンバーガールも彼にプロデュースを依頼しています。
きっと、いびつだけどカッコいいサウンドを期待したのでしょう。

Softbulletin


(5.1サラウンドを収録したDVDオーディオもあります。普通のCDが同梱された
2枚組です。このCDも音が良くなっていますが1曲目と13曲目の
Race For The Prizeのバージョンが入れ替わっています。)


99年の作品ですが、大げさでなく20世紀のロックを代表する作品だと思います。

そういえば、U2のエッジもこのアルバムの大ファンだと言ってましたね。

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ハイラマズ/Gideon Gaye(1993)

90年代にCDショップで遭遇したお気に入りのアルバムを紹介するコーナー、
今回はハイラマズの「Gideon Gaye」です。

出会いは、現在マルハンの場所にあった渋谷のHMV。
全くこのバンドのことは知らなかったのですが、ビーチボーイズ+ホワイト・アルバム
のPOPに惹かれ試聴。
この時期、ビーチボーイズにハマっていたのですが、ハイラマズの本家以上に
ビーチボーイズらしい桃源郷サウンドにびっくり!70年代のビーチボーイズの理想
のサウンドを再現していました。

本家ブライアン・ウイルソンの復活ソロアルバムが、ちょっと現代的な音になり
すぎていて今イチのめり込めなかったこともあって、ハイラマズがその欲求を
埋めてくれたのでした。

Highllamas


ハイラマズはその後は、ステレオラブのメンバーと組んで、エレクトロニカな音に
シフトしていきましたが私は、この「Gideon Gaye」と、次に出た「Hawaii」の
オーガニックなサウンドが好みです。
(そういえば、渋谷クアトロで行われたコンサートで、細野晴臣氏に
遭遇してびっくり!まめにチェックされているのですね)


ハイラマズのショーン・オヘイガンは、色んな人にブライアン・ウイルソンの
プロデュースをすればと勧められても頑に拒否しているそう。
(ブライアンからもラブコールがあったなんて記事もみました)

気持ちはわからなくないですがで、オヘイガンプロデュースの
ブライアン・ウイルソンのアルバムが出たら狂喜するでしょうね。
(もし、ブライアン版「スマイル」にショーン・オヘイガンが関わっていたら
もっと違ったスマイルが出来ていた可能性があると思いませんか?)

私の知る限り、ハイラマズかビーチボーイズをカバーした唯一の曲が、
「Anna Lee, the Healer」。渋い選曲でナイスなアレンジです。
(Caroline Now!: A Tribute To The Beach Boys収録)

これを聴くと両者のコラボレーションの夢が広がります。

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